贈り先様にお喜びいただけるお花選びに、予算、立札・メッセージ文例など贈り方マナーもご用意しました。
§胡蝶蘭とは
¶胡蝶蘭が贈り物に選ばれる理由
「幸福がやってくる」という花言葉を持つ胡蝶蘭。品格あるその姿はもちろん、その他にもお祝いの花として選ばれる然るべき理由があります。
まず、胡蝶蘭は花命が長く、1ヶ月以上、環境によっては3ヶ月から5ヶ月もお花を咲かし続け、数日で枯れてしまう切り花やアレンなどとくらべ、長い間空間を彩ってくれます。
また、ニオイがなく花粉も少ないため飾る場所を選びません。
病院や飲食店などデリケートな施設でも安心して飾ることができる点も贈り物として選ばれる理由のひとつです。
¶胡蝶蘭のギフトシーン
胡蝶蘭の贈り物としての用途は大変幅広く、開店祝い、開業祝い、就任祝いなどの様々なオフィシャルなお祝いの贈り物を始め、お誕生日や長寿のお祝い、個展や発表会のお祝いといった個人様向けの贈り物としても大変人気です。
¶胡蝶蘭が高価な理由
胡蝶蘭が贈り物としてお届けされるまでには多くの人の手と時間と費用が掛けられます。
[新品種の胡蝶蘭が世にでるまで]
胡蝶蘭の原種にはアマビリス、エクエストリス、アンボイネンシス、シレリアナ、ビオラセア、ルデマニアナなどがあり、これらを元に人の手により数十回の交配がなされ品種改良されたのが現在の大輪胡蝶蘭です。
胡蝶蘭の新品種を交配から花を咲かせ、出荷を迎えるまでに約8年もかかります。また、変異リスクがあるために、安定的に世に出すには約10年という長い長い期間と生産者の“手”がかかります。
[贈り物としてお手元にお届けするまで]
胡蝶蘭にとって1年中最適な温度や光・水の管理を行うには、莫大な燃料や水そして人手を要します。また、上質な“根”を育てるためには植え込み素材や鉢にも妥協は許されません。
さらに、胡蝶蘭のお花は1輪ごとに様々な方向に顔を向けているのが自然の姿。贈り物として生産されている胡蝶蘭は、皆きれいに同じ方向いていますが、このように綺麗な仕立てをしているのは日本ならでは。その圧巻される程の美しい姿を作り出すには、一輪一輪丁寧に手作業でお花の向きを調整をしていかなくてはなりません。1株の途中のお花1輪でも傷んでしまうと贈り物にはなりませんので、取り扱いにも充分に気を配らなくてはなりません。
このように手間を惜しまずこだわり抜かれたお花だからこそ、高価な贈り物となり、最高級の胡蝶蘭といえます。
¶胡蝶蘭の品種
胡蝶蘭は、ラン科コチョウラン属に属し、木の幹や苔のある岩などに張り付くように生息“着生ラン”の一種です。別名“ファレノプシス”。和名では、舞花が蝶のっている姿に似ているところから“コチョウラン”という名前がつけられました。その他、“イワハナビ”という名前もあります。
¶胡蝶蘭の色別お花の特長
・大輪胡蝶蘭
基本は「白」「リップ」「ピンク」の3種類。当店では、非常に珍しい淡いグリーン系の大輪胡蝶蘭も取り扱っております。
色
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特長
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白
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胡蝶蘭の贈り物として一番人気のお色。どのような空間にもマッチするため、特にオフィシャルな贈り物としては定番となっています。また、お悔やみの場合にも失礼なくお贈りいただけるなど、大変幅広い用途にご利用いただけます。お花の大きさや肉厚、お花の並びなどにおいても胡蝶蘭の中では一番なので、大変豪華な仕上がりになります。
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リップ(紅白)
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紅白の胡蝶蘭は昔からある品種で、「白」に次いで一般的な大輪胡蝶蘭。白い花びらに赤い唇弁(リップ)が紅白で縁起が良いと、おめでたいお祝いにご指定されることが多くあります。特に、ご年配の方への贈り物として好まれ、還暦や米寿といった長寿のお祝いには大変人気です。お花の大きさは白やピンクほど大きくはありませんが、白と赤のコントラストが大変華やかで品のある仕上がりになります。
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ピンク
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薄いピンクの花びらに唇弁(リップ)の部分が紅色で、大変華やかで存在感のあるお花です。白が多い胡蝶蘭の中に置かれると、その華やな姿はとても目を引き目立ちます。気品とともに可愛らしさもあり、特に女性への贈り物として人気が高く、品切れになることも少なくありません。お花の大きさは白についで大きい胡蝶蘭です。
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グリーン
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交配の段階で奇跡的に生まれた淡いグリーンの大輪胡蝶蘭。これまでグリーンの大輪の胡蝶蘭は世界的にも希少な品種で、ヨーロッパを中心に世界各地から購入される人気の品種です。他の贈り物とは違う印象で目立たせたいといった場合に人気です。淡く清々しく、うっとりとする神秘的な美しさを持っています。
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・ミディ胡蝶蘭
白系、ピンク系、黄色系の他、パープル系や多色まざった大変珍しいお色まで様々です。
色
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特長
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白
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清潔感のある白は、病院などの開院祝いに人気です。
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黄色
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元気なイメージのある黄色系は、開業祝いや開店祝いを始め、人生の門出のお祝いや男性への贈り物に人気です。
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ピンク
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可憐で華やかなイメージで、女性への贈り物に人気です。淡いピンク、濃いピンク、グラデーションのピンク、パープル系のピンクなど、その姿は様々。楽屋見舞や、発表会のお祝いにもご利用いただいています。
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¶胡蝶蘭の株の本数について
ビジネスシーンにおける胡蝶蘭の贈り物は、より豪華なものをお求めになることが多く、一番人気は縦横ともにボリュームのある5本立(ごほんだち)。竣工祝いなどの盛大なお祝いには、8本以上の多本立(たほんだち)を贈られることも少なくありません。ただし、ボリュームが出れば出るほど、お飾ざりになるスペースも必要になりますので、贈り先様の環境を充分考慮に入れて贈られることをオススメします。お届けしたけれどお店に入らなかった!ということにならないようにご配慮が必要となります。
一方、個人様やあまり広くないオフィスやお店に贈られる場合には、3本立(さんぼんだち)や2本立(にほんだち)など幅が広がらない仕立てや全体的にコンパクトなミディ胡蝶蘭が人気です。株数をおさえつつも豪華な仕立てをご希望される場合には、1輪あたりの輪数が多いグレードのものをお選びいただくとよいでしょう。
¶ミームの“大輪”の胡蝶蘭グレードについて
当店では“大輪”の胡蝶蘭グレードを1本あたりの輪数により次のように設定しています。
商品画像の星の数が目安です。
※“大輪”の胡蝶蘭以外の花に関しましてはグレードはつけておりません。
大輪胡蝶蘭の グレード
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大輪胡蝶蘭 1本当たりの輪数目安
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特長
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エクセレント
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15輪以上(つぼみ含む)
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輪数が多くとっても豪華な胡蝶蘭。特別なお客様、大切なお取引先様などへのお祝いにオススメです。
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プレミアム
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12~14輪(つぼみ含む)
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豪華で存在感のあるこちらのクラスは、法人様の贈り物に一番人気の胡蝶蘭です。
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デラックス
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10~11輪(つぼみ含む)
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程よくボリュームもあり、様々なご用途の贈り物に一番人気の胡蝶蘭です。
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スタンダード
| 8~9輪(つぼみ含む)
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お買い求め易く、見栄えもよいので、迷ったときにオススメの胡蝶蘭です。
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レギュラー
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~7輪(つぼみ含む)
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最もコンパクトなクラスの胡蝶蘭。お買い求め易くご自宅用やご友人などへの贈り物にオススメです。※2015.10.28現在、こちらのグレードの胡蝶蘭の取り扱いはございません。
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¶胡蝶蘭の育て方
[胡蝶蘭の“お花が咲いている時”のお手入れについて]
ポイント
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お手入れ方法
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お花が届いたら
まず一番にすること
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胡蝶蘭がお手元に届いたら、まずお花を包んでいる和紙とラッピングを取りましょう。
和紙は、輸送時に胡蝶蘭のお花を保護するもので、外すときにはお花を傷つけないようにゆっくり丁寧に取り外してください。この時、お花に直接手で触れないように注意しましょう。胡蝶蘭は、お花の中心に触れてしまうとすぐに枯れてしまいます。
また、贈り物としていただいた胡蝶蘭にはとても綺麗なラッピングが施されています。外してしまうのはもったいないと長期間そのままにしておくと、ムレて根腐れを起こしてしまい枯れてしまいます。
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胡蝶蘭に適した光
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胡蝶蘭は、木漏れ日がさしこむような明るい日陰を好みます。光合成により栄養分を蓄えるため、光がまったく当たらないと株は衰弱してしまいます。かといって、葉に直射日光が当たってしまうと胡蝶蘭が日焼けを起こしてしまい、そのまま腐敗することも。窓際の直射日光があたる場所は避け、レースのカーテン越しの優しい光(陰ができるかできないか程度が目安)が入る風通しのよい場所に、なるべく長く置くことが理想的です。
葉が日焼けしてしまった場合は、その部分を切り離してください。
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胡蝶蘭が好きな温度
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胡蝶蘭が好む温度は、15℃~25℃くらい。胡蝶蘭は熱帯地域の植物ですので、日本の秋や冬といった寒い季節は苦手です。お花が咲いている時期は、18℃~25℃くらいが、長くお花を楽しむことができます。32℃を超えるような高温になると、お花は老化し早くしぼんでしまいます。理想は温度変化の少ない場所で最適な温度を常時保つことです。
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冬季の育て方と湿度
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胡蝶蘭にとって理想的な湿度は40%程度。空気が乾燥している冬場は、さらに暖房器具などよってカラカラになってしまいます。小さなつぼみが黄色く変色して落ちたり、株が衰弱することもあるので、加湿器や1日に数回霧吹きでつぼみや花、葉に散水するといった加湿が必要です。ただし、加湿器を使用する際には、葉に直接当てると“花しみ”の原因になりますのでくれぐれもご注意ください。
冬場の夜間や長期間誰もいない寒い家やオフィスに置いておかなければならないような場合は、夜間のみ暖かい場所へ移動したり、鉢ごとダンボールに入れるなどして保温します。
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春からの育て方と湿度
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だんだんと暖かい日が多くなってくる3月末頃から湿度も高くなってきます。冬場のまま加湿を続けると、灰色カビ病や軟腐病発生の原因になります。暖房が不要になると同時に加湿はやめ、人間にとっても過ごしやすい暖房や冷房が不要な季節には、風通しを良くして湿度60~80%、温度15~30℃を目安に管理しましょう。胡蝶蘭は、花が揺れて花粉が落ちてしまうと早く枯れてしまいます。風の強い場所は花を揺らし花粉が落やすくなるため、風が直接当たる場所は避けてください。冷房の風もお花が痛む原因になるので、直接当たる場所は避けましょう。
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胡蝶蘭の水やり
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胡蝶蘭は根腐れを起こしやすいので水やりタイミングは慎重に見極めます。水苔の表面は乾いていても構いませんが、株元を指先で強く押して湿り気を感じなくなった時が水やりのタイミング。指先に湿り気を感じるときは不要です。大輪は、半月に1回程度、ミディは、8日に1回程度が目安と言われますが、胡蝶蘭の大きさや飾る環境によっても変わりますのでかならず触って確認しましょう。
また、胡蝶蘭の苗は鉢の中に一株ずつ小さなポットに入っているので、お花や葉に水がかからないように注意しながら1株ずつ株元に、株全体に水が染みわたるように水をあげてください。受け皿がある場合には、根腐れの原因になるので、受け皿お水は必ず捨てて溜めたままにしないでください。
注意!水をあげ過ぎることを注意する余り、完全に乾かしてしまわないように注意しましょう。
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[胡蝶蘭をもう一度花を咲かせるために]
胡蝶蘭は、お花が終わった後もきちんとお手入れを行うことで、一度咲いた「ステム(茎)」からもう一度お花を咲かせることができる、蘭科植物の中では極めて希な特性を持っています。
ポイント
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お手入れ方法
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切り詰め
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胡蝶蘭の「ステム(茎)」には5~6個の節があり、そこに花芽になる可能性のある腋芽があります。出来るだけ先端に近い位置の節の上2cmほどを残して切りましょう。目安は株元から4節目の上あたり。うまく切ることでもう一度花を咲かせ、長く楽しむことができます。
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光と温度
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切った後は、直射日光を避け、レースのカーテン越しなどの優しい光で育てましょう。株が元気で温度が適温(15℃~25℃)であれば1~2ヶ月で節から花芽が出て、その後、数ヶ月で開花します。
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肥料について
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基本的に肥料を与え過ぎないほうがお花が咲きやすく長生きします。※秋から冬に花芽が出て春に咲くことが最も多い。
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アレンジ
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胡蝶蘭は、切る位置で花の特徴が変わり、様々な表情を楽しむことができますが、それぞれデメリットもあります。お好みでいろいろチャレンジするのも楽しみのひとつですね。
★出来るだけ高い位置を切った場合:花芽が出やすく、もう一度お花を咲かせるこ確率が高いですが、輪数が少なく枝の形もよくありません。
★下の方の芽を切った場合:花数が多く立派な花になりますが、花芽が出づらく、もう一度咲かせる確率は低くなります。
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[綺麗なお花を咲かせるための植え替え]
胡蝶蘭を健康に育てて綺麗なお花を咲かせるために“植え替え”を行い、通気性や排水を良くします。通気性が悪ければカビの繁殖、根腐れ、病気の原因に繋がることもあります。
ポイント
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アドバイス
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植え替えの目安
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2年から3年に1回。6月頃に行います。また、葉にツヤがない、お花が枯れたり変色する、下葉が落葉する、水やり時に鉢中に水が浸透しないといった場合も“植え替え”のタイミングです。
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注意点
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植え替えは根に負担がかかるため、短いスパーンで何度も植え替えを行うことはNGです。
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[胡蝶蘭の植え替えの手順]
胡蝶蘭の育成には「水苔」や「プレサブ」というバーク(木のチップ)を使用します。ここでは、「水苔」を使った手順をご紹介します。
手順
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植え替え方法
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根の状態を整える
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胡蝶蘭は一株ずつ小さなビニールポットに植えられています。植え替えの際にはポットから外し、カビが生えていたり腐っている部分、黄色や黒くなってしまった根はハサミで切り落とし、元気な根だけを残し、古い水苔は取り除きます。ハサミは、病気が伝染しないように火であぶって消毒したものを使いましょう。
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新しい鉢に植える
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鉢は、釉薬(ゆうやく)を塗っていない、通気性のよい「素焼き」の鉢を使用します。素焼きの鉢底に、軽く湿らせた新しい水苔を敷き一株ずつ植えていきます。株元にはたっぷりと入れます。
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水やりと温度管理
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基本は前述の“お花が咲いている時”と同様です。
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胡蝶蘭の好きな環境づくりを行えば、2度・3度と綺麗なお花を楽しむことができます。
1度で終わらずに、長く長くお楽しみいただけますよう。